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2005年08月02日

総務省、「地上デジタル放送に行政が果たすべき役割」への意見募集

http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050801/soumu2.htm
 今になって、果たすべき役割を探している総務省はかなりピンチなんじゃないか? とりあえず、総務省配布のPDFを読んでみる。
 うーむ、長いぞこれは。PDF121ページとは…。その代わり、政府が地上デジタル放送に関して考えていることがかなりわかると思う。つまり、行政のデジタル化を念頭に入れた改革であるらしい。放送と通信の融合、の将来形として、PCからもテレビからもアクセスできる公共機関の窓口を作り、利用していく予定のようだ。

 この間のエントリでも言及した、中継局問題についてはアメリカ・ヨーロッパの状況も含めて言及。デジタルへの移行を確定させているのに、アナログ停波の日を決めていないために買い替えがすすまないアメリカの状況を見てアナログ停波の日を決めているらしい。しかしながら、中継局のデジタル化が完了するかについては未だに総務省も把握していない模様。ソースが出せないので悪いのだが、とあるデータでは100%の中継局整備が終わる放送局は20%程度という話があった。…ほんと、放送局は災難だなぁ。

 コピーワンスについては、コピーを防ぎ・海賊版DVDを防ぐことによってコンテンツのクオリティを上げようとしているようだが、現在のところ家庭でもレンタルDVD等から海賊版DVDを作れる状況から見ても、それが果たされるかについては疑問。日本人の気質から言って、いいものには比較的ちゃんと金を払うと思う。あと、コピーワンスという符号についても、デジタル放送について論議された初期に存在していた符号の中で使えそうなやつだった、というだけらしい。

 受信機(デコーダ)の問題についても言及されていた。資料からは「ネットかデジタル放送を見られる環境か、どっちかあればいいや」という姿勢が見える。デジタル放送環境の普及が進んでいるが、基本的には液晶テレビを買ったらついてきたというもの(ちなみにテレビを買った理由1位は買い替えの時期だったから:資料より)。普通にそれらのテレビを買える富裕層はいいのだが、問題は新たに高いテレビを買う余裕のない層。ここを無視して「買い替えは順調に進んでいる」とは言えまい。あと、資料からはデジタルテレビを見られない(中継局の問題等で)ならケーブルテレビとかと契約しなよ、とも読み取れる。

 最終的に自分が総務省に求めたいことは

・中継局整備が間に合うかどうかを調査。間に合わないなら資金援助かアナログ停波の延期。
・コピーワンスに関して抜本的な見直し。コピーフリーにするか、新技術開発に対しての投資。
・デジタルデコードチップのコストダウン研究への支援。アナログデコーダと同価格帯まで持っていく。

 簡潔に言うと以上の3点。今まで散々、宣伝してしまったが、まだ修正することはできる。修正せずに押し通して、国家的な汚点を作らないようにしてもらいたいです。

投稿者 nombi : 2005年08月02日 00:26

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